今月の臨床 頸癌,体癌—診療の現況
治療
14.子宮頸癌Ia期の手術療法
山邊 徹
1
Tooru Yamabe
1
1長崎大学医学部産科婦人科
pp.1432-1433
発行日 1993年12月10日
Published Date 1993/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901543
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頸癌Ia期(微小浸潤癌)の例に単純子宮全摘術を施行した際には,ときに腟断端再発をみることが知られている。これは多くの場合,子宮腟部をかじりとり,その一部の病巣が残存したためと思われるが,癌の腟壁進展によることもある。このような術後の膣断端再発を防ぐには,子宮摘出に際して膣壁を多少含めて切除する必要がある。そのための術式が準広汎子宮全摘術である。すなわち,骨盤神経を保存し(後遺症の回避),膣壁を含めて子宮を安全に摘出する(Ia期癌に対する根治性と手術の安全性)点に本術式の目的がある。
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