今月の臨床 頸癌,体癌—診療の現況
基礎
5.子宮体癌の遺伝子診断と遺伝子治療
今村 利朗
1
,
和気 徳夫
1
Toshiro Imamura
1
,
Norio Wake
1
1九州大学生体防御医学研究所生殖生理内分泌学部門
pp.1404-1405
発行日 1993年12月10日
Published Date 1993/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901534
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癌は種々の癌遺伝子の活性化および癌抑制遺伝子の不活性化が集積した結果発生すると考えられている。大腸癌など数種の癌では一連の遺伝子変化がほぼ解析され,正常大腸粘膜から腺腫の発生,さらに微小癌,進行癌への進展に至る過程での遺伝子変化が明らかにされている。このため癌の遺伝子診断および遺伝子治療の臨床応用の可能性がさかんに論議されている。
われわれは子宮体癌の発生過程に関与する遺伝子変化を検討するために,細胞工学的,分子生物学的手法を用いて解析を行い不完全ながらその分子機構に関する知見をうることができた。また変異癌遺伝子を標的とした遺伝子治療を開発するための基礎的検討を行っているので併せて紹介する。
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