今月の臨床 ゴナドトロピン--今日の焦点
ゴナドトロピンの臨床—特にHMGとその妊娠例の検討
飯塚 理八
1
,
鈴木 秋悦
1
,
白井 英一郎
1
,
大野 虎之進
2
Rihachi Iizuka
1
,
Toranoshin Ohno
2
1慶応義塾大学医学部産婦人科教室
2東京歯科大学市川病院産婦人科
pp.697-701
発行日 1968年8月10日
Published Date 1968/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203925
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I.はじめに
幼若動物の下垂体を剔出した場合,性腺の発育は停止し,成熟動物について行なつた場合は性腺の萎縮がみられる等の事実から,下垂体と性腺の機能的相関の存在が,古くより認められており,さらに,下垂体前葉組織抽出物を幼若のラッテやマウスに移植した場合,早発性の性成熟が認められることから,下垂体中の性腺刺激物質の存在が証明されてきた。
今日,性腺刺激ホルモン(Gonadotropin)は,下垂体前葉や胎盤(絨毛)で産生され,卵巣や睾丸等の性腺を刺激して,その機能を維持するという生物学的作用を有するもので,産婦人科臨床的にも,無月経や無排卵周期症の治療を中心とした不妊症領域で広く応用されている。
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