原著
てんかん合併妊娠
小川 修一
1
,
水上 尚典
1
,
谷野 均
1
,
玉田 太朗
1
,
佐藤 郁夫
1
1自治医科大学産科婦人科
pp.921-924
発行日 1994年7月10日
Published Date 1994/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901827
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1982年1月〜1992年目2月の11年間に当院で分娩したてんかん合併妊娠45症例72妊娠の産科予後についてretrospectiveに検討した.Antiepile—ptic drug(AED)を服用していなかった母親の児1例に内反足が,またフェニトイン+バルビツレートを服用していた母親の児1例に非免疫性胎児水腫が認められた.周産期死亡は2例(2.8%,いずれも子宮内胎児死亡)に認められた.早産は,帝切による人為的早産2例を含めた5例(6.9%)に認められた.満期産となった67妊娠中13妊娠(22%)に帝切が行われており当施設1987〜1991年の5年間の満期産単胎分娩3,738例中のそれ294(8%)に比し有意に高い帝切率であった.13妊娠中7妊娠(54%)は分娩停止のため帝切が行われていた.バルプロ酸,カルバマゼピンもしくはフェニトインを服用していた群はバルビツレート単独服用群やAED非服用群に比し高い帝切率であった.バルプロ酸,カルバマゼピンならびにフェニトインはてんかん合併妊娠における帝切率上昇と関係がある可能性がある.
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