今月の臨床 外陰の診かた
構造と生理
2.局所解剖—外陰皮膚疾患理解のために
斉藤 浩
1
Hiroshi Saito
1
1獨協医科大学皮膚科
pp.690-691
発行日 1993年6月10日
Published Date 1993/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901322
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外陰部は,大陰唇,小陰唇,陰核,恥丘,会陰,前庭,処女膜などからなり,大部分は皮膚と同様の付属器を有している。しかし毛嚢を欠く部分や,バルトリン腺(大前庭腺),小前庭腺,スキーン腺など他の部位の皮膚や粘膜には見られない分泌腺もあり,さらに尿道口や腟口に接し,肛門とも隣接していることから,種々の皮膚粘膜疾患が生じやすい。そのため,外陰皮膚疾患の理解と治療には,その疾患の概念と同時に,部位的特殊性ということを理解することが必要である。まず局所の解剖を理解し,そのうえで視診,触診,必要があれば生検や細菌学的,ウイルス学的な検査を加えて診断すべきである。
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