今月の臨床 外陰の診かた
構造と生理
1.外陰の発生と分化—最近の知見
青野 敏博
1
Toshihiro Aono
1
1徳島大学医学部産科婦人科
pp.686-689
発行日 1993年6月10日
Published Date 1993/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901321
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性の分化過程は,1)染色体,2)性腺,3)内性器,4)外性器,5)性中枢,6)二次性徴の順序で進行する。この中で外性器(外陰)の状態は一次性徴とも呼ばれ,児が出生した際に性別を判定し,出生届に記載する際の重要な指標になる。
男女の外性器は共通の原基から発生する。男性胎児の精巣から分泌されたtestosteroneによって,未分化の外性器が男性化するが,この際に局所に存在する5α—reductaseにより,さらに強力なdihydrotestosteroneに転換されることが重要である。一方女性胎児では男性ホルモンの分泌がないので,外性器は女性化する1)。
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