Modern Therapy 婦人科劇症の治療
難症外陰疾患
鳥越 正
1
Tadashi Torigoe
1
1山口大学医学部産科婦人科学教室
pp.131-134
発行日 1980年2月10日
Published Date 1980/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206197
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外陰部に難治性の病変が発生することは,決してまれではなく,とくに湿疹群,真菌症,掻痒症など掻痒を伴う皮膚疾患が多くみられる。その他に全身的疾患の一症候として,とくに内臓悪性腫瘍に伴って外陰に皮膚疾患を生じることがあるので,日常の臨床面でも外陰部の皮膚疾患には注意深く対処する心構えを忘れてはならない。
とくに女性外陰は局所解剖学的関係から屎尿の他に帯下,月経血,分泌物などにより汚染され浸潤して不潔になり易く,また種々の機械的,化学的,温熱的刺激をうけ易く,さらに皮脂腺や汗腺に富むため,種々の皮膚疾患が発生し易く,時には難治性となり細菌感染が重なって患者の苦痛もたえ難いものとなる。ここでは,とくに外陰掻痒を訴える疾患をとり上げて解説したい。
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