今月の臨床 子宮外妊娠—up to date
診断のNew aspect
13.Arias-Stella反応の診断的意義
竹村 正
1
Tadashi Takemura
1
1兵庫医科大学産婦人科
pp.381-383
発行日 1993年4月10日
Published Date 1993/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901237
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Arias-Stella反応とは周知のように1954年Arias—Stellaが“Atypical Endometrial Changes Asso—ciated with the Presence of Chorionic Tissue”として発表したことに端を発する1)。後述する組織学的特徴が注目を集め,当初は“Atypical cellularchanges in endometrial glands associated withectopic pregnancy”2)などと呼称されて諸家により追加発表されたが,1958年頃より次第にArias—Stella反応3)と呼ばれるようになった。それらの論文では,Arias-Stella反応が子宮外妊娠時の子宮内膜にも出現することを指摘しているがArias—Stella反応が子宮外妊娠に特異的ではないこと,子宮内妊娠より高率に出現するものではないことを認めながら早期に子宮外妊娠の可能性を示唆する点で有用であると述べられている2-6)。事実,Arias-Stellaも流産,子宮外妊娠,胞状奇胎・絨毛癌において,活性のある絨毛組織の存在下での子宮内膜腺上皮細胞の核の不規則な増大と種々なる程度の増殖惟の出現を指摘したが,その所見が子宮外妊娠に特異的であるとは述べていない1)。その後,電顕像も含めて報告が集積された7,8)。
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