原著
超音波カラードプラ法による正常月経周期における子宮動脈血流動態変化および血中Prostaglandin E2,Prostaglandin F2αとの関連について
井浦 俊彦
1
,
丹野 治郎
1
,
桑原 惣隆
1
,
福間 秀昭
1
,
上田 由生子
1
,
羽根 淳治
1
,
宝田 明
2
Toshihiko Iura
1
,
Akira Takarada
2
1金沢医科大学産科婦人科
2金沢医科大学放射線科
pp.201-205
発行日 1993年2月10日
Published Date 1993/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901189
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超音波カラードプラ法を用い,正常月経周期を有する10名(24歳〜43歳)の成熟婦人を対象とし子宮動脈血流動態変化および血中PGE2,PGF2αとの関連について検討した。
1)子宮動脈のResistance index(RI)では,増殖期後期と月経期前期を峰とする2峰性パターンを示した。2)PGF2αも同様に,増殖期後期と月経期前期を峰とする2峰性パターンを示した。3)PGE2は,増殖期,分泌期とも大きな変動を示さなかったが,月経期に高値を示す傾向を認めた。4)分泌期後期から月経期前期にRIの一時的低下ならびに上昇を示した。この際,PGF2αが子宮動脈の血管抵抗および血流量の変化に関与している可能性を認めた。また,経産婦と未産婦において,子宮動脈の血流動態に変化があることが示唆された.以上より,子宮動脈の血流動態にはPGF2αが密接に関与している可能性が認められた。
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