今月の臨床 子宮全摘出術—私のコツ
腹式単純性子宮全摘出術
3.膀胱剥離と腟断端処理のコツ
馬島 秀泰
1
Hideyasu Mashima
1
1慶應義塾大学伊勢慶應病院産婦人科
pp.138-140
発行日 1993年2月10日
Published Date 1993/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901171
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1843年にHeathが初めて腹式子宮全摘術を施行した。その後1889年になってLA Stimsonがあらかじめ子宮動静脈,卵巣動静脈を結紮して子宮を摘出する画期的な術式を報告してから,近代婦人科学領域での腹式手術を代表する腹式単純子宮全摘術が安全確実な術式として確立されるまでには,多くの諸先輩方が工夫,改良され,多く発表されてきた。それは腹式単純子宮全摘術の術中操作に関して,種々問題点はあるが,そのうちで最も重要なものは膀胱・尿管損傷と腟断端からの出血の回避にあるからである。
ここに教室員に指導している腹式単純子宮全摘術の操作のなかで膀胱剥離と腟断端処理について述べるが,通常の術式と本質的に異なるものではなく,骨盤内臓器の局所的解剖学と手術手技の基本知識を教育された人であれば,研修医にも安全かつ単純に施行できる術式である。
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