連載 産婦人科クリニカルテクニック
ワンポイントレッスン—私のノウハウ
腹式単純子宮全摘術における腟断端処理
伊藤 裕
1
1住友病院産婦人科
pp.1602
発行日 1996年12月10日
Published Date 1996/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902786
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婦人科において最も頻度の高い手術術式として正確かつ迅速な処理が求められる腹式単純子宮全摘術では,術後障害として炎症性の膣断端肉芽腫と断端部の血腫がある.両者とも患者さんには不安を与え,診療する側にとっては厄介で不愉快なものである.腟切断前後の処理において,ふたつの工夫をすることによって絶滅できて久しいのであえて紹介する.
その1つは,傍結合組織および膣断端の処理に当たって,絹糸を用いないですべて吸収糸を使用することである.これによって絹糸を中核に発生した肉芽腫の発生はなくなり,絹糸を取り除くまでいくども繰り返して肉芽腫の除去を行う辛さから解放された.
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