今月の臨床 流産
診断
21.子宮外妊娠の鑑別診断
箕浦 茂樹
1
Shigeki Minoura
1
1国立病院医療センター産婦人科
pp.68-70
発行日 1993年1月10日
Published Date 1993/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901154
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近年妊婦診察において超音波診断,とりわけ経腟プローブがルーチンに用いられるようになり,子宮外妊娠の臨床は大きく様変わりしてきた。すなわち典型的な急性腹症を呈し,一刻を争うようないわゆる教科書的な症例が減少し,まったく無症状かあるいは極軽微な症状しか呈しない症例がふえてきた。このことは患者にとっては保存的な手術の可能性が増し,大変好ましいことであるが,われわれ産婦人科医にとってはそれだけ診断に苦慮する症例がふえてきたことを意味する。もちろん一般論として,臨床診断というものは経過を見ることによってだんだんとはっきりしてくるものではあるが,とくに子宮外妊娠のような放置すれば重篤な状態に陥るものでは早期診断の価値は大きい。そこで本稿では子宮外妊娠の診断と鑑別診断のポイントについて,超音波の所見を中心に述べてみたい。
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