診断と手技
子宮外妊娠の鑑別診断
鈴木 正彦
1
,
笹川 重男
1
Masahiko Suzuki
1
1杏林大学医学部産科婦人科学教室
pp.647-654
発行日 1971年7月10日
Published Date 1971/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409204440
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子宮外妊娠は決して少ない疾患ではなく,比較的よく遭遇する疾患の1つといえる。われわれがかつて集計した成績1)でも分娩総数の2.8%にあたつている。しかも診断の遅れが重大な結果を招くことになることはいうまでもない。
経験のある人ならばその定型的な場合はただちに診断がつくが,非定型的な場合は熟練した人といえども他の類似疾患と誤ることはまれではない。したがつて熟練した人で本疾患の誤診の経験のない人はまずないといつてよいだろう。案外本疾患をほとんど見逃していないと思つている人でも緊急変化を起こした場合は,その医師にみてもらわず,というよりみてもらう暇なく,もつとも近い医師にかかる場合があり,その医師はそれを知らされず誤診は少ないと思い込んでいる人もあろう。
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