今月の臨床 漢方薬—西洋医薬との使い分け
更年期,閉経後期
23.萎縮性腟炎
久保田 武美
1
,
平山 博章
1
Takeyoshi Kubota
1
,
Hiroaki Hirayama
1
1順天堂浦安病院産婦人科
pp.1470-1471
発行日 1992年12月10日
Published Date 1992/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901122
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萎縮性腟炎(老人性腟炎)とはエストロジェンの低下により腟壁や外陰部が萎縮し,炎症を伴った状態をいう。細菌による二次感染のある例では抗生剤腟錠を併用することもあるが,治療の主体はエストロジェン製剤である。すなわち,エストロジェンのうち子宮内膜への作用が弱く,腟上皮への作用が強いとされるエストリオール製剤や結合型エストロゲンが使用されている。これらには表1のように腟錠,経口剤,注射剤があるが,経口剤,注射剤による全身投与では子宮出血を起こすことがあるので,一般には腟錠による局所治療がまず第1に試みられ,腟内投与が困難な例では経口剤や注射剤が用いられている。ところが,近年,表2に示した八味地黄丸,牛車腎気丸,温経湯をはじめとする種々の漢方薬も萎縮性腟炎に対して効果があることが証明されてきている。そこで,萎縮性腟炎に対する漢方薬一西洋医薬の使い分けに関して著者の知るところを以下に示した。
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