今月の臨床 漢方薬—西洋医薬との使い分け
更年期,閉経後期
24.排尿障害
鎌田 正晴
1
,
安井 敏之
1
,
青野 敏博
1
Masaharu Kamada
1
,
Toshiyuki Yasui
1
,
Toshihiro Aono
1
1徳島大学医学部産婦人科
pp.1472-1474
発行日 1992年12月10日
Published Date 1992/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901123
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通常,尿の産生量は1ml/分であり,150〜200mlで尿意を感じ,膀胱利尿筋の収縮と尿道括約筋の弛緩により苦痛なく完全に排尿される。夜間は抗利尿ホルモンの分泌により尿の産生量は減少し,通常就寝中に尿意を感じることはない。また意識的には300 ml以上蓄尿することができる。尿失禁,昼間および夜間頻尿,排尿困難,排尿痛(不快感)などは,これら正常排尿機能の障害により起こる。
排尿障害を主訴に産婦人科を受診する患者は少ないが,三宅らのアンケート調査では40歳以上の婦人の41.4%(448/1,083)に尿失禁が認められている1)。頻尿はより高頻度であることを考えれば排尿障害を持つ潜在患者はかなり多いはずである。本稿では,排尿障害の機序を概説し,漢方療法の効果と利点につき述べる。
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