原著
最近の子宮付属器炎について
久保田 武美
1
,
石川 克美
1
,
飯田 信
1
,
岡部 親宣
1
,
岩佐 剛
1
,
竹内 久彌
1
,
高田 道夫
2
Takeyoshi Kubota
1
,
Michio Takada
2
1順天堂大学浦安病院産婦人科
2順天堂大学医学部産婦人科
pp.285-289
発行日 1989年3月10日
Published Date 1989/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207970
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1)症状,臨床検査,内診所見により子宮付属器炎と診断された45例について腹腔鏡あるいは開腹手術を施行した結果,付属器炎の所見が認められた例は34例(75.6%)であった。
2)腹腔内所見で付属器炎とされた34例中25例に病理診断を行ったが,確定診断がなされたものはそのうちの20例(80%)であった。
3)病理診断で付属器炎と確定できた20例中12例は腹腔内より起炎微生物が検出されたが,残る8例では菌は検出されなかった。
4)対象例45例中19例(27株)に腹腔内より微生物が検出された。C. trachomatisが最も多く検出され全検出株中の48.2%を占めていた。N. gonorrheae感染例は症状が強く,C. trachomatis感染例では症状は弱〜中等,一般細菌感染例では症状の強さは一定しない。
5)付属器病巣内検出菌と頸管検出菌との相関を検べたがN. gonorrheaeやC. trachomatis感染例に関してはよく相関していた。
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