増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
婦人科編
III 更年期・老年期
萎縮性腟炎/性交痛
岡野 浩哉
1
1飯田橋レディースクリニック
pp.137-138
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103693
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疾患の概要
萎縮性腟炎は診断名であるが,性交痛は疾患単位ではなく症状である.性交痛は原因により治療法が異なるため,本稿では萎縮性腟炎の一症状としての性交痛に限定して取り扱う.エストロゲンは泌尿生殖器粘膜の機能に重要な役割を有しており,その低下により腟や外陰部の萎縮が起こり,腟の乾燥感,腟壁の脆弱性,性交痛,外陰部の痒み,易刺激性などの症状が現れる.また,腟内の乳酸桿菌が減少し細菌叢が変化するため,腟炎や尿路感染症が起こりやすくなる.閉経後女性に日常的によく認められる症状であるが,治療を受けているのは25%以下といわれている.
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