今月の臨床 漢方薬—西洋医薬との使い分け
不妊症
8.男性不妊
野田 洋一
1
,
夏山 知
1
,
森 崇英
1
Yoichi Noda
1
,
Satoshi Natsuyama
1
,
Takahide Mori
1
1京都大学医学部婦人科産科
pp.1430-1432
発行日 1992年12月10日
Published Date 1992/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901098
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近年,不妊症治療には体外受精胚移植法を含めた高度な手法が導入されているが,現在なお,治療上困難をきたす問題の一つは乏精子症を示す男性不妊症である。実際,男性不妊症のなかで最も頻度が高いのが特発性造精機能障害による乏精子症であり,精液中の健常な精子数の減少のため,配偶子間人工授精法(AIH)や体外授精胚移植法(IVF-ET)によっても十分な妊娠率を得ることができない。また,最近では顕微授精法が開発され,国内でも妊娠例が報告され始めているが,必ずしも成功率が高くないのが現状である。
したがって本稿では男性不妊症のうち,特発性造精機能障害による乏精子症に焦点をあて,漢方薬を含めた内科的治療法について論じる。
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