今月の臨床 漢方薬—西洋医薬との使い分け
不妊症
9.不育症
玉置 淳子
1
,
山田 秀人
1
,
奥山 和彦
1
,
田中 俊誠
1
,
藤本 征一郎
1
Junko Tamaoki
1
1北海道大学医学部産婦人科
pp.1433-1435
発行日 1992年12月10日
Published Date 1992/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901100
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不育症の主な原因としては,子宮の異常,内分泌学的異常および免疫学的異常などがあげられる。したがって不育症婦人に対しては治療に先立って適切な検査により原因を究明することが肝要である。しかし,妊娠初期の流産においては,母体ならびに胎児側に異常が認められない場合が多く,半数以上が原因不明であると報告されている。これら原因不明の症例では,何らかの免疫学的機構に異常をきたしている可能性があり,リンパ球免疫療法の適応となっている。また,不育症の原因の1つである子宮内膜症においても,免疫学的機構の関与が指摘されている。このように不育症の原因としての免疫学的機構の関与が注目されている一方で,漢方薬が免疫学的機構を介して効果を発揮することが知られるようになり,原因不明の不育症婦人に対する漢方薬の有用性が期待されている。
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