今月の臨床 抗癌剤
種類と作用機序
3.免疫療法剤
鎌田 正晴
1
,
古本 博幸
1
,
青野 敏博
1
Masaharu Kamada
1
1徳島大学医学部産科婦人科
pp.1168-1170
発行日 1992年10月10日
Published Date 1992/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901024
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
癌の免疫療法とは,担癌宿主の免疫監視機構(図1)を賦活して,癌細胞の排除を目指す療法で,それに用いられる物質あるいは試みをbiolo—gical responce modifier (BRM)と総称し,免疫療法剤とほぼ同義語である。しかしヒト癌での腫瘍縮小効果は個体差が大きく,実験腫瘍におけるほど著明ではない。これが他の直接的治療法とは決定的に異なる点で,癌の免疫療法そのものが疑問視されたことも事実である。最近,生存期間やquality of life(QOL)を中心にした評価法の定着や,直接抗腫瘍活性を示すサイトカイン類の臨床応用などにより,癌の免疫療法が再び注目されている。本稿では産婦人科領域を中心に,免疫療法剤の現況と展望を述べる。
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.