産婦人科医療--明日への展開 生殖のコントロール--不妊治療への展望
抗卵子抗体
森 崇英
1
,
鎌田 正晴
1
Takahide Mori
1
,
Masaharu Kamada
1
1徳島大学医学部産科婦人科学教室
pp.23-26
発行日 1983年1月10日
Published Date 1983/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206742
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卵子は同種の精子とのみ結合可能で,異種の精子あるいは同種でも他の体細胞と結合することはない。すなわち性細胞は,種特異性とともに臓器特異性を持っているといえる。この事実は,自己免疫現象が起り得ることを意味し,実際,ある種の不妊症患者血清中には,抗卵自己抗体が存在し,不妊症発生要因の一つとしての意義が注目されている。
抗卵抗体は,透明帯zona pellucidaに対する抗体の他に,卵形質に対する抗体の存在が報告されているが,後者に関する研究および報告は少なく,その意義も殆んど判っていない。そこで今回は,抗透明帯抗体と不妊症との関係を述べてみたい。
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