薬の臨床
酢酸リュープロレリン徐放性注射剤(TAP−144—SR)の子宮内膜症に対する臨床的有用性の検討
松尾 明美
1
,
岩下 光利
1
,
中山 摂子
1
,
三室 卓久
1
,
瀬戸山 琢也
1
,
小林 万利子
1
,
工藤 美樹
1
,
吉井 大介
1
,
安達 知子
1
,
武田 佳彦
1
Akemi Matsuo
1
1東京女子医科大学産婦人科
pp.1140-1148
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901020
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LH-RHアゴニストの酢酸リュープロレリン徐放性注射剤(TAP−144—SR)の酢酸リュープロレリン(TAP−144)として1.88mgまたは3.75mgを子宮内膜症患者33例に4週に1回,計6回(24週間)皮下投与した結果,血清中エストラジオールを確実に抑制し,子宮内膜症の諸症状・所見を改善した。とくに,3.75mg投与では月経時および月経時以外の自覚症状の改善率は85〜100%であり,またダグラス窩の硬結ならびに子宮の可動性の制限を評価した他覚所見の改善率は73%と,その臨床効果は既存の子宮内膜症治療剤と同等以上であると考えられた。副作用としては,本剤の薬理作用の結果である低エストロゲン状態に基づくと考えられる自覚的症状がほとんどであり,投与中または終了後に消失または軽快したものが多かった。酢酸リュープロレリン徐放性注射剤(TAP−144—SR)は子宮内膜症治療剤として有用なLH-RHアゴニストであると考えられる。
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