Current Research
遺伝子診断
鈴森 薫
1
Kaoru Suzumori
1
1名古屋市立大学医学部産婦人科
pp.1117-1128
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901016
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ヒトは遺伝子の働きにより,その成立ちはもちろんのこと,病気をはじめ医学の対象となる現象も遺伝子のレベルで還元して捉えることができる。なかでも遺伝性疾患とくに先天代謝異常症などでは遺伝子レベルでの解明が急速な進展を遂げており,それらは遺伝子での変異の検出に留まらず,それぞれの異常による病態代謝をも明らかにされるに及び,それにつれて出生前診断あるいは発症前診断から最近では遺伝子治療まで現実味を帯びつつある現況にある。
本稿では,まず遺伝子の概念,遺伝子診断の原理など基本となる事柄に触れ,ついで私どもが行っているこの手法を応用した出生前診断症例について述べてみたいと思う。
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