カラーグラフ 遺伝講座・8
遺伝子診断の実際・2
鈴森 薫
1
1名古屋市立大学医学部産婦人科
pp.149-151
発行日 1995年2月10日
Published Date 1995/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902025
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Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)
前回はサザン・ブロット法を応用した本疾患の診断法について述べたが,最近,ジストロフィン遺伝子の分子生物学的な解明が進み,本遺伝子を構成しているエクソン単位で診断できる.ジストロフィン遺伝子には60〜70のエクソンから構成されているが,DMDの発症につながるエクソン欠失好発部位に的を絞ってDNA増幅を行い診断を行う方法である.もっとも有名なのは,Cham—berlainらによって紹介された9か所のエクソンを同時に検出する方法で,これらの9つのエクソン部位についてPCR法にて異なるサイズで増幅できるようにプライマーを設定し,DNAの同時増幅を行ってアガロースゲル電気泳動し,各エクソンの有無を目的のサイズのバンドの有無で判定する(図1).この方法の利点は,簡便で,しかもDNA多型で問題になるような組み替えの心配をしなくてすむ点である.しかし,エクソン欠失が明らかなDMDは全体の60%程度とされていることが問題点として残る.
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