今月の臨床 卵巣がん—疫学から治療まで
手術療法
22.腫瘍縮小手術の適応条件
関谷 宗英
1
Souei Sekiya
1
1千葉大学医学産婦人科学教室
pp.836-837
発行日 1992年7月10日
Published Date 1992/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900934
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現在卵巣がん治療の原則は,手術療法による腫瘍の可及的摘出と,主としてシスプラチン併用化学療法による集学的治療である。手術療法では基本術式(両側付属器摘出,単純子宮全摘出,転移があるか疑われれば大網切除)が行えない進行がんが約50%を占めているので(日産婦卵巣がん登録委員会),腫瘍縮小手術(欧米のdebulking,cytoreductionにあたる)による予後改善が試みられてきた。
通常腫瘍縮小手術は初回手術時と再開腹手術(second-look operation,SLO)時に行われるが,いずれにしてもシスプラチン併用化学療法が有効でないと,腫瘍縮小手術による予後改善は期待できない。
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