特集 肺癌縮小手術の適応とその成績
特集「肺癌縮小手術の適応とその成績」によせて
近藤 丘
1
1東北医科薬科大学病院
pp.3
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu72_3
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近年における分子標的治療や免疫チェックポイント療法を中心とする肺癌薬物療法や放射線画像解析関連技術の急速な進歩,さらには社会における肺癌の悪性度の高さの認識向上などにより,肺癌治療の概念は大きな変貌を遂げつつある.肺癌の外科治療においても,従来標準とされてきた考え方が遠からず根本的に書き換えられるのではないかと思わせるような,考え方の変貌やエビデンスの集積が行われようとしている.これまで一律に標準的外科治療とされてきた肺葉切除と系統的リンパ節郭清であるが,肺癌の状況,とくに病期という概念の早期方向への拡大により,外科治療の早期段階における縮小方向への多様化がなされつつあるといってよいであろう.現在はその標準化へ向けて努力がなされている段階であり,多くの経験の集積が求められているといえる.
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