今月の臨床 卵巣がん—疫学から治療まで
手術療法
21.上皮性卵巣癌に対する保存的手術
西田 敬
1
Takashi Nishida
1
1久留米大学医学部産婦人科
pp.834-835
発行日 1992年7月10日
Published Date 1992/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900933
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他の固形癌と同様に卵巣癌における治療の第一選択は手術療法である。しかし細胞,組織学的な,不可視レベルの病変が早期例でも腹腔内あるいは後腹膜リンパ節へ進展していることも多く手術のみで根治性が期待できる症例は限られている。すなわち現時点における卵巣癌治療の成否の鍵は術後療法の有効性に因るところが大きいと言えよう。
したがって卵巣癌に対する手術の役割としては根治性の追求よりむしろ,①組織型や進展度の確認,②腫瘍減量により抗癌剤などの術後療法をさらに効果的なものにすることが主目的となる。
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