特集 卵巣腫瘍の組織発生
[Overview]卵巣腫瘍の組織発生—実験病理と臨床病理の立場から
薬師寺 道明
1
,
西田 敬
2
Michiaki Yakushiji
1
,
Takashi Nishida
2
1久留米大学産婦人科学教室
2国立小倉病院産婦人科
pp.953-960
発行日 1990年11月10日
Published Date 1990/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900183
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悪性卵巣腫瘍の組織発生を究明することは,単に学問的に興味深いだけでなく臨床的にも極めて意義深いと考えられる。何故なら腫瘍の発生過程を真に理解することはその進展形式や好発転移部位の推測は勿論,抗癌療法に対する感受性の予測をも可能とし,治療方針の決定に際して手術療法や術後療法選択の理論的根拠の一つとなり得るからである。更には悪性腫瘍の発生起点に対する洞察は癌の予防法の確立といった将来的なテーマにまでつながる重要かつ魅力的な課題といえよう。
本稿では悪性卵巣腫瘍の組織発生について臨床病理学的事項と実験病理学的事項に分けて概説を試みたい。
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