今月の臨床 帝王切開
帝王切開の実際
29.胎児手術時の子宮切開法
河村 堯
1
,
進 純郎
1
,
荒木 勤
1
Takashi Kawamura
1
1日本医科大学産婦人科教室
pp.719-721
発行日 1992年6月10日
Published Date 1992/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900901
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胎児異常に対する診断技術の進歩により,その病態が把握できるようになってきた。その結果,胎児治療の一つとして手術的方法が近年行われるようになった。例えば胎児水頭症,胎児水腎症,胎児横隔膜ヘルニアなどに対しては母体経腹的穿刺によるpig-tailカテーテル留置法,子宮切開術による腎瘻形成術,横隔膜ヘルニアの直達的修正術などである。しかし,このような胎児治療に関する手術的方法を開始するにあたり胎児異常に対する正確な診断,自然経過にともなう予後の予測や胎児治療による予後の改善見込みなどの点が把握され,さらに十分なインフォームド・コンセントがえられている必要があることはいうまでもない。
そこで,今回のテーマである胎児手術時の子宮切開法については最近経験した一絨毛膜一児死亡例の選択的胎内手術症例を中心に,手術手技や適応などについて簡単に述べることにする。
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