原著
進行期卵巣癌に対するEtoposide,CDDP併用化学療法
生川 伸二
1
,
南野 英隆
1
,
立山 一郎
1
,
林 道治
1
,
上田 浩
1
,
加藤 敬也
1
,
田内 圀彦
1
Shinji Narukawa
1
1天理よろづ相談所病院産婦人科
pp.487-492
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900828
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1988年から1990年の31年間に当科で治療した進行期の原発性上皮性卵巣癌患者10例(IIc期2例,III期7例,IV期1例)に対し,Etoposide,CDDP併用化学療法を施行し,初回手術により残存腫瘍が2cm以下となったものと2cmを越えるものとに分け効果判定した。投与法はDay 1にCDDP 60mg/m2静中,Day 2,3,4にEtoposide 60mg/m2静中とし,これを4週毎に2〜6クール繰り返した。結果は初回手術により2cmを越える腫瘍が残存した8例は,いずれも画像上化学療法の評価が可能であり,8例中5例にCRを得,1例はPR,2例はPDだつた.奏功率は残存腫瘍が2cm以上の群でも75%であり,全奏功期間は現在までのところ19.3ヵ月であった。さらに副作用も検討したが,骨髄抑制,悪心・嘔吐,脱毛が主なるものであったものの,重篤なものは認めなかつた。
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