原著
妊娠中毒症ならびにHELLP症候群におけるヒト肝細胞増殖因子(hHGF)の動態
飯岡 秀晃
1
,
赤田 忍
1
,
久永 浩靖
1
,
島本 太香子
1
,
山田 嘉彦
1
,
森山 郁子
1
,
一條 元彦
1
,
坪内 博仁
2
Hideaki Iioka
1
,
Hirohito Tubouchi
2
1奈良県立医科大学産婦人科
2鹿児島大学医学部第2内科
pp.493-495
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900829
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最近発見された新しい物質であるヒト肝細胞増殖因子(hHGF)の妊娠中毒症,ならびにHELLP症候群妊婦での血清中濃度の動態について,酵素標識免疫測定法(ELISA)で測定を行い以下の成績を得た。1)妊娠婦人血清中のhHGF濃度は,妊娠経過とともに著明な変動は示さず,非妊娠婦人では0.23±0.05ng/ml,妊娠初期では0.18±0.07ng/ml,妊娠中期では0.19±0.06ng/ml,妊娠末期では0.22±0.05ng/mlであった。
2)妊娠中毒症妊婦血清中のhHGF濃度は,軽症型では0.21±0.06ng/mlであり,重症型では0.15±0.07ng/mlであり,正常非妊娠婦人と優位差を認めなかった。
一方,HELLP症候群妊婦血清中のhHGF濃度は,1.25土0.35ng/mlであり,正常非妊娠婦人に比し優位に高値を示した。
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