今月の臨床 子宮内膜症
病因と病態
7.子宮内膜症と免疫
神崎 秀陽
1
,
刈谷 方俊
1
,
畑山 博
1
Hideharu Kanzaki
1
1京都大学医学部婦人科学産科学教室
pp.27-29
発行日 1992年1月10日
Published Date 1992/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900692
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年,子宮内膜症患者の一部に免疫グロブリンや補体の変化,細胞性免疫応答の異常,また正常の子宮内膜組織やそれを超音波破砕して得られた子宮内膜抗原に対しての抗体の出現といった自己免疫疾患の性格を示唆する所見が報告された。そのため,子宮内膜症を自己免疫疾患の一つとして捉える意見まで提唱されてきている。しかし他方,子宮内膜症患者でも対照婦人と比して免疫系には有意な変化は認められなかったという報告も見られ,子宮内膜症と免疫機能の関連についてはなお議論が多い。本項ではわれわれの行った子宮内膜症患者の免疫機能解析の結果と抗子宮内膜抗体検出の試みについて述べる。
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.