連載 FOCUS
子宮内膜症と免疫
前田 長正
1
1高知大学医学部産科婦人科学教室
pp.372-376
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103642
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はじめに
子宮内膜症(以下,内膜症)では,その30~50%に不妊症が存在し,また不妊症患者全体のなかで25~35%に内膜症が合併していることから,不妊症の大きな要因と考えられる.また月経困難症をはじめ性交痛や排便痛,慢性腹痛などの疼痛を伴うことが多い.さらに卵巣チョコレート囊胞では高率(約0.7%)に卵巣がんを合併することも大きな問題となっている.このように女性の「不妊」・「疼痛」・「がん」という大きな問題で女性のQOLを著しく損なう内膜症であるが,その発生機序については十分に解明されていない.本稿では,内膜症の病因について近年注目されている免疫学的機序に関して概説する.
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