今月の臨床 妊娠と免疫
不妊・不育症と免疫異常
17.子宮内膜症と免疫
梅咲 直彦
1
Naohiko Umesaki
1
1大阪市立大学医学部産科婦人科学教室
pp.186-189
発行日 1992年2月10日
Published Date 1992/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900742
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
近年,子宮内膜症は増加傾向にあり,また月経困難症のみでなく不妊の大きな原因として産婦人科領域における重要な疾患の一つとなっている。しかし,その発生機序,また不妊合併の原因に関しては必ずしも明確ではない。
最近,子宮内膜症患者では多数例において自己抗体が検出されるため,本症を自己免疫疾患として捉える考え方が提唱されるようになってきた。また子宮内膜抗体の存在も報告されしており,本症発症に免疫が関与することが推察されている。さらに子宮内膜症患者では腹水の貯留が認められるが,その中にマクロファージやサイトカインが多量に含まれていることから不妊と免疫の関連も注目されている。
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.