今月の臨床 子宮内膜症
病因と病態
3.組織所見
植木 実
1
Minoru Ueki
1
1大阪医科大学産婦人科
pp.16-18
発行日 1992年1月10日
Published Date 1992/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900688
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定義ならびに進行期分類
子宮内膜症は子宮内膜あるいはその類似組織が異所性に増殖する疾患とされている。その定義の詳細については日本産婦人科学会の生殖・内分泌委員会(子宮内膜症の診断および進行度分類基準設定小委員会)で検討されている。そこでは子宮内膜症とは子宮およびその周囲漿膜および卵巣の病巣を指すものとし,子宮筋層に病巣の存在する内性子宮内膜症は子宮腺筋症と呼び,またそれ以外の他臓器にみられるものはそれぞれの臓器の子宮内膜症と呼称することで内定している。
また,同小委員会では従来研究者によって用いられてきた種々の進行期分類をRe-AFS分類に統一することに決定した。しかし本分類は腹腔鏡を用いて診断するので,実地臨床医や腹腔鏡の設備のない病院では使用出来ないため,そのような臨床的診断の際には当面Beecham分類を用いる意向にある。尚,このBeecham分類も問題があるので,将来日本独自の臨床進行期分類を新しく作成することになり,その作業が開始されている。
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