今月の臨床 子宮筋腫—こんなときどうするか
発生部位と症状
3.不妊
石川 睦男
1
Mutsuo Ishikawa
1
1旭川医科大学産婦人科学教室
pp.1138-1139
発行日 1991年10月10日
Published Date 1991/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900570
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生殖年齢の女性の20〜25%に子宮筋腫が発生するといわれている。この子宮筋腫と不妊との関連については多くの臨床医がその意義を認めているにもかかわらず,未だ明確な結論には達していない。その理由として,不妊の治療成績をいかに評価するかということについての問題点と,子宮筋腫と不妊に関して科学的に評価できる報告が少ないことが挙げられる。一般に不妊症の治療法の有効性を評価する際,その治療法で得られた妊娠率と,何も治療を施さなかった対照の妊娠率を比較すべきである。さらにchronologicalにLife tableで分析することが不妊症の治療成績を評価する上で不可欠である。子宮内膜症では外科的ならびに内科的治療に関して,このような観点での臨床報告はみられるが,子宮筋腫に関しては未だない。現在までの臨床報告と教室の臨床成績から筋腫と不妊の関連につき解説する。
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