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不妊症随想(3)
大島 正雄
1
1母性科学研究所
pp.22-24
発行日 1958年10月1日
Published Date 1958/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201549
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13.妊娠の成立を巡つて
「卵巣で排卵が起ると,卵は卵管膨大部に入る.この卵に精子が近づけば,受精が起り,受精卵が卵管より子宮腔に移送され,それが子宮腔の内膜に附著すれば,「受精卵の着床」で,妊娠の始りである」
今日,「妊娠の成立」については大体この様に説明されている.若しこの様な単純なものであるならば,人間は当然,毎年一人宛生まねばならないし,また生んで当り前である.所が事実はその様な場合はむしろ少ない.避妊の方法を講ずることなく,自然のままに放任しても,次の分娩迄は2年,3年と間隔の空くのは何故であろうか.
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