今月の臨床 頸癌,体癌—診療の現況
基礎
3.子宮頸癌とHPV
岩崎 秀昭
1
,
加藤 喜市
1
,
武田 敏
1
,
稲葉 憲之
2
,
関谷 宗英
2
,
計良 恵治
3
Hideaki Iwasaki
1
,
Noriyuki Inaba
2
,
Keiji Kera
3
1千葉市立病院産婦人科
2千葉大学医学部産婦人科
3千葉大学医学部第二解剖学
pp.1396-1398
発行日 1993年12月10日
Published Date 1993/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901532
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近年の分子生物学的進歩に伴い,子宮頸癌発生におけるヒトパピローマウイルス(human papil—lomavirus:HPV)の役割が徐々に解明されつつある。しかしながら,HPV単独での発癌というより,癌遺伝子,癌抑制遺伝子などの他の因子の関与も示唆され,いわゆる多段階発癌によって悪性化に至るものと考えられている。
HPVは約8.0 Kbからなる2本鎖の環状DNAウイルスで,従来より動物などに造腫瘍性があることは知られていた。1980年代に入り,分子生物学的手法により,HPV-DNAの検出が可能となり,子宮頸癌とHPVの関連性の研究が飛躍的に進歩した。今回HPVと子宮頸癌の関連性について述べる。
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