原著
外来におけるHPV検出キットの有用性
早田 隆
1
,
松 敬文
1
,
穴井 孝信
1
,
村田 博久
1
,
薬師寺 喜八郎
1
,
宮川 勇生
1
,
長浜 純二
2
,
林田 蓉子
2
,
横山 繁生
3
Takashi Hayata
1
,
Junji Nagahama
2
,
Shigeo Yokoyama
3
1大分医科大学産科婦人科
2大分医科大学中央検査部病理
3大分医科大学臨床検査医学
pp.993-996
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900532
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ヒトパピローマウイルス(HPV)は尖圭コンジローマの原因とされているが,近年,子宮頸癌との関連についてもにわかに脚光を浴びてきた。
そこで,初診患者32例を対象として,HPV検出キットを用いてHPVの感染の有無を観察し,同時に採取した子宮頸部細胞診との比較,検討を行った。
その結果,細胞診Class ⅠおよびClass Ⅱでは全例本法陰性で,Class Ⅲ以上では本法にて陽性例(6.3%)および要再検例(6.3%)が混在することが判明した。すなわち陽性例の2例は上皮内癌と老人性腔炎の各1例で,要再検例は2例とも上皮内癌であった。
よって,我々の用いたHPV検出キットは細胞診陰性群をスクリーニングすることに有用であると見なされた。
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