原著
妊娠中毒症における胎盤の肉眼的観察に関する検討
有澤 正義
1
,
中山 雅弘
1
Masayoshi Arizawa
1
,
Masahiro Nakayama
1
1大阪府立母子保健総合医療センター病理
pp.235-238
発行日 1991年2月10日
Published Date 1991/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900319
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
胎盤の肉眼的な観察を行うとき,十分に視診・触診を行ってから,割を入れ割面の観察をすることが所見を見逃さないためには大切である。全体の胎盤の梗塞の合併頻度はは20.3%,血栓の頻度は8.6%であった。梗塞の頻度は欧米と比べるとほぼ同率であるが,血栓の頻度は明らかに低率で,現在の日本人の特徴ではないかと考えられた。妊娠中毒症の胎盤の肉眼的観察では梗塞の合併率は48.3%,血栓の合併率は24.1%であった。IUGRの胎盤の肉眼的観察には梗塞の合併率は63.4%,血栓の合併率は29.6%であった。梗塞には血栓より,強い虚血性の変化があるので,このような合併率になるのであろうと考えられた。
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.