原著
臍帯の異常血管の病理的検討
有澤 正義
1
,
中山 雅弘
1
Masayoshi Arizawa
1
1大阪府立母子保健総合医療センター病理
pp.1001-1007
発行日 1992年8月10日
Published Date 1992/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900983
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臍帯の異常血管の発生学的な考察,児の先天奇形,胎児仮死および羊水過多症などとの関係についてわずかな報告はある。このような異常についてさらに明らかにするために,頻度,病理的な検討および臨床的な関係について検討した。臍帯に認められる通常の血管以外に異常な血管が認められたのは8.1%であった。臍帯の異常血管には,子宮内感染,chorangiosisやVUEなどの絨毛の異常が高率に合併していたが,児の先天奇形との関係は明らかではなかった。異常血管の数での分類は1本,2本,3本以上の血管増殖に分けることができた。さらに,3本以上の異常血管増殖の中に肉芽様変化の伴っている例といない例が認められ,肉芽腫様変化に伴う血管増殖と絨毛膜羊膜炎および臍帯の感染には関係が認められた。
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