今月の臨床 不育症—その対策のすべて
治療の実際
28.抗凝固療法
安達 知子
1
Tomoko Adachi
1
1東京女子医科大学産婦人科
pp.90-91
発行日 1991年1月10日
Published Date 1991/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900281
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SLEを中心とする自己免疫疾患では,主として妊娠中期に流早死産を繰り返すものがあることが知られていた。また従来,原因不明の不育症として扱われていたものの中にも,厳密に膠原病としての定義を満たさないにもかかわらず,Lupus anticoagulant(LAC)を中心とする抗リン脂質抗体が証明され,同様な経過を示すものがあることが知られてきた。これらに共通してみられる病態として胎盤や脱落膜の血栓や梗塞・壊死などによる胎盤循環障害が挙げられており1),従って,種々の抗凝固療法が試みられその有効性が報告されている。しかし,こうした病態に対する標準的な一般化した治療法は未だ確立されておらず,各施設が症例に応じて治療法の検討を行っているのが現状である。
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