今月の臨床 不育症—その対策のすべて
検査・診断の進め方
19.染色体検査結果の評価
柳原 敏宏
1
,
神保 利春
1
Toshihiro Yanagihara
1
,
Toshiharu Jinbo
1
1香川医科大学母子科学講座
pp.64-66
発行日 1991年1月10日
Published Date 1991/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900272
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不育症とは,不妊症と異なり,妊娠はするものの,胎児の生命を維持できないなんらかの原因が存在するために,妊娠初期に流産,または死産にいたるものである。特に習慣性流産が主なものとなる。この疾患は元来治療不可能と考えられていたが,今日の免疫療法などの発達により再び注目されるようになった。本症の頻度は約0.4%とされているが,月経と思われているなかに流産も含まれている可能性もあり,その頻度はより高いものと考えられている。不育症における原因疾患は多数存在するが,そのなかでも本稿では,染色体異常を認める症例の検査と取扱いについて述べる。
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