今月の臨床 不育症—その対策のすべて
検査・診断の進め方
10.診断・検査の進め方の実際
牧野 恒久
1
,
丸山 哲夫
1
Tsunehisa Makino
1
,
Tetsuo Maruyama
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.36-38
発行日 1991年1月10日
Published Date 1991/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900263
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通常不育症外来を訪れる患者の主訴として,少なくとも2回以上の妊娠未完遂があげられる。しかし例外として自己免疫疾患などを背景とした1回の妊娠中期の子宮内胎児死亡の既往や,また臨床的には妊娠と証明しがたいが基礎体温上高温相の反復する延長が患者・医師両サイドの啓蒙によりいわゆる超早期流産として捉えられ,外来を訪れることもある。このように不育症は非常に多岐にわたり,その対応は決して一律的に行われるべきではない。ただし不育症は,種々の疾患群を背景に,妊娠維持機構に関わる未知の要因を数多く内包していることが少なくなく,単一の原因に帰することが容易にできないことから考えると,検査の進め方としては,やはり系統的かつ総合的な不育症ルーチン検査をもって患者に臨むことが,とりこぼしを防ぐ意味でも肝要である。
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