今月の臨床 不育症診療─その理論と実践
感染症による不育症
野口 昌良
1
1愛知医科大学産婦人科学教室
pp.1126-1129
発行日 2004年9月10日
Published Date 2004/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100600
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はじめに
成立した妊娠がその後,分娩予定日近くまで継続することなく早期に分娩が開始するか流産に終わる不育症は決して少なくない.
感染,とりわけ細菌感染により子宮頸管の熟化が推進されて,子宮頸管無力症のように,子宮頸管長の短縮や開大から流早産に至るものが存在する.
これらは単に頸管の変化だけではなく,各種サイトカインの活性化を促し1, 2),最終的にはプロスタグランディンが誘導され,子宮収縮が始まることによっても,より子宮頸管の熟化を進め,子宮口開大を促進するために,妊娠の継続ができなくなり,中期流産や早産を招来し,不育症が成立することになる.
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