今月の臨床 不育症—その対策のすべて
原疾患との関わり
3.頸管無力症と不育症
河上 征治
1
Seiji Kawakami
1
1藤田学園保健衛生大学医学部産婦人科教室
pp.18-19
発行日 1991年1月10日
Published Date 1991/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900256
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頸管無力症とは
頸管無力症1)(Cervical incompetency)とは,妊娠経過中に子宮頸管の開大,短縮,特に内子宮口の閉鎖不全を同時に示し,そのために流早産の起り易い状態をいう。
したがって頸管無力症の状態にあれば,妊娠週数がすすむにつれ(中期に入ると),卵膜につつまれた内容,重量,子宮内圧の増幅にともない,胎胞が形成されやすくなる。一方それは開大され,短縮された頸管内へ膨隆し,遂には腟腔へ突出,破水し流早産の危険を増す。本症状を示す妊婦では僅かの腹緊や子宮筋の緊張で破水,流早産の経過を示すのが典型的例である。
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