原著
CO2レーザーによる腟横中隔の治療経験
千葉 英俊
1
,
遠藤 敦
1
,
鹿野 和男
1
,
堀口 正之
1
,
佐藤 信二
1
,
矢嶋 聰
1
Hidetoshi Chiba
1
1東北大学医学部産婦人科教室
pp.606-610
発行日 1990年7月10日
Published Date 1990/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900129
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腟横中隔と診断された症例を経験し,これにCO2レーザーを用いて治療を試み,完治した症例を報告する。腟中隔のレーザー焼灼後に創面の被覆を行い,術後約2ヵ月後に腟狭窄や再癒合もなく,正常と変わりのない伸展性を有する腟腔を確認できた。腟横隔膜や腟閉鎖は,経腟的に閉塞部位より子宮側の病態を把握することが不可能であるため開復手術を併用することが望ましいが,腟中隔の場合,小孔を通して容易に隔壁の子宮側を知ることが出来,経腟手術で済ますことが可能である。レーザーによる腟式手術の長所として,①狭い腟腔での手術が容易であること,②切開や切除範囲力調節しやすいこと,③止血も同時に出来ること,などであり,短所として,①レーザー焼灼の際,炭化組織が邪魔になること,②排煙が必要なこと,などである。腟中隔の症例に対して,経腟手術を行うのにレーザー治療は有用と思われた。
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