症例
妊娠24週で臍帯ヘルニアを診断し救命できたBeckwith-Wiedemann症候群の一例
町川 稔文
1
,
近藤 芳仁
1
,
鈴木 猛
1
,
上石 光
1
,
片桐 信之
1
Toshifumi Machida
1
1横浜市立大学医学部産婦人科
pp.611-614
発行日 1990年7月10日
Published Date 1990/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900130
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妊娠24週で超音波断層法にて臍帯ヘルニアを診断し,救命することが出来たBeckwith-Wiedemann症候群の一例を経験したので報告する。症例は,29歳,0回経妊,0回経産,妊娠24週5日超音波検査で,羊水過多,臍帯ヘルニアが認められ,その後3回羊水穿刺施行し子宮内圧の減圧を図った。母体のウイルスなどの感染症は陰性で,羊水染色体検査では46XYの正常男性型だった。妊娠31週3日,帝王切開術を施行し,出生児は2,037g男児で,臍帯ヘルニア,多指趾症,口蓋裂などの複合奇形が認められた。出生後8日目にヘルニア嚢の一期的閉鎖術が施行され,生後3ヵ月までのフォローでは経過良好であった。Beckwith-Wiedemann症候群は,臍帯ヘルニア,巨舌,巨大児を特徴として,内臓肥大,悪性腫瘍の発現,知能低下,突出した後頭部,小頭症,耳梁の奇形など,多様な全身的異常を伴う症候群である。
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