合併増大号 今月の臨床 産婦人科医が知っておきたい臨床遺伝学のすべて
腫瘍
Peutz-Jeghers症候群およびCowden症候群についての必修知識
小林 佑介
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.104-110
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210570
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●Peutz-Jeghers症候群は,がん抑制遺伝子STK11/LKB1を原因遺伝子とし,消化管の過誤腫性ポリポーシスと粘膜皮膚色素沈着が特徴であり,子宮頸がんを引き起こすことがある.
●Cowden症候群は,がん抑制遺伝子PTENを原因遺伝子とし,消化管ポリポーシス,皮膚粘膜病変,精神症状を呈することが特徴で,子宮体がん,乳がん,甲状腺がん,大腸がん,腎細胞がんが発生しやすい.
●Peutz-Jeghers症候群やCowden症候群など稀な遺伝性腫瘍を見逃さないためにも,日常診療において遺伝性疾患を意識した外表観察や,既往歴や家族歴に関する十分な問診が重要である.
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