今月の臨床 プレコンセプションケアにどう取り組むか―いつ,誰に,何をする?
妊娠前の準備
生活習慣が母体・胎児に及ぼす影響―葉酸やビタミンDなどのサプリメント・タバコ・アルコール
朝倉 寛之
1
,
西尾 京子
1
1扇町レディースクリニック
pp.1150-1155
発行日 2021年12月10日
Published Date 2021/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210539
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●胎児の神経管閉鎖障害発症リスクを低減するために,すべての妊娠予定の女性に1日400μgの葉酸をサプリメントとして妊娠前から摂取することを推奨する.
●ビタミンDの追加摂取にて,子癇前症,妊娠糖尿病,低出生体重,重度の分娩後出血のリスクが減少する可能性があるが,そのエビデンスは強くない.WHOはビタミンD欠乏症以外の妊婦へのビタミンDのサプリメント摂取は推奨しない.
●妊婦が能動および受動喫煙することにより,頸管無力症,早産,前期破水,早産,常位胎盤早期剝離などの合併症が増加する.妊婦・母親の喫煙は乳児突然死症候群,感染症,小児喘息,発達異常などの小児合併症と関連する.夫婦両者への禁煙が勧められる.
●妊婦の飲酒により,先天異常および中枢神経障害などの胎児性アルコール・スペクトラム障害の発生リスクが増加する.妊娠中の安全な飲酒量は確定されておらず,禁酒を勧めるかアルコール依存の治療を検討すべきである.
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